身体技法としてのコミュニケーションと思考のスキルとリラックスすることについて

リラックスすること

去年から、演技の教室に行き出した。

流派にもよるけど、オーソドックスな演技の訓練法では、リラクゼーションというのを様々な形でやる。

これは、ロシアの演出家、演技理論家で近代のリアリズム演劇の方法を確立したスタニスラフスキーに負うところが大きいと思う。彼はおそらくヨガの知識と経験的に、筋肉の緊張というのが身体の自由を奪い、表現を困難にすることを知っていた。そして、ヨガの知識から訓練法に取り入れたのだと思う。

コンスタンチン・スタニスラフスキー - Wikipedia

研修の講師みたいな仕事をしているが、 元々はプレゼンテーションなどまるで苦手だった。人前で話すと緊張する。(元々やりたくて始めた仕事ではない。)

で、駆け出しの頃は全身ガチガチに緊張しながらやっていた。でもそれだと、受講者の反応が感じ取れないし、当意即妙がなく、場が生き生きとしない。

自分の中でのブレークスルーは「リラックスして、集中する」という感覚を掴んでからだった。

緊張に気づくこと

リラックスする感覚を捉える、というのは、緊張に気づく、ということでもある。大雑把に緊張している、というのではなく、感覚をより精緻に、微細にしていくとリラックスの深さが増す。身体の部位、顔、筋肉の筋。

リラックスする深さが増せば増すほど、感覚が鋭くなり、自分の内面にも外部の環境にも気づくことができるようになってくる。

視野が広がり、思考も柔軟になる。

肩こりや腰痛とも無縁だ。

武道におけるリラックス

合気道なんかは典型だけど、リラックスすることで効果的に動ける、動きが効果的に相手に伝わる。

柔道でも、実は技をかけることそのものには力は要らない。自分はまだ力が入ってしまう。(それ以外にも課題は山ほどあるが。。。)

Sitting in the Fire

尊敬する偉大なセラピストで、ファシリテータである。アーノルド・ミンデルの本に下記のようなものがある。

Sitting in the Fire: Large Group Transformation Using Conflict and Diversity (English Edition)

Sitting in the Fire: Large Group Transformation Using Conflict and Diversity (English Edition)

対立や葛藤の炎の中で静かに座る、ということ。

ヨガクラスや静かな禅寺でだけ、リラックスができる、というのは、練習にはいいけど、実用的ではない。

武道でも、演劇でも要するに、緊張してしまう状況でいかにリラックスができるか、ということが大事。

気付きながら、行動する、ということ。

ビジネス環境やチームの中で行われるコミュニケーションや思考は、身体的なものだ。

体を上手く使う、というのが上達のポイントでもある。

どうやってリラックスするか

まずは、緊張していることに気づく。普段から、我々は相当身体中に力が入っている。それに気づくことが大事。

ヨガとか、フェルデンクライス、アレクサンダーとか色々ある。

あと、セラピーやカウンセリング的なもので心のシコリみたいなのが取れると力が抜ける、というのもある。

マニアックだが、個人的に好きなのはこんなの。

自分さがしの瞑想―ひとりで始めるプロセスワーク

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