効果的な研修について

研修の有効性

学校でのお勉強が役に立たないのと同じように、脱文脈化された死んだ知識はどんなに頑張って暗記しようとも役には立たない。

多分、最もやりやすくて効果的な研修は、文脈を同じくする社内での実践知を形式知化して、知識付与→実践とフィードバック→振り返りによる改善  のサイクルを回していくことだと思う。

下記の本では、やって見せる → 種明かし の効果も述べられている。

リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書

リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書

大事なことは文脈を失わないこと。

効果的な研修とは何か。

効果的な研修にはいくつかのパターンがあると思う。

  • 複雑なスキルや知識だが、On-the-JOB での実践的なフィードバックと組み合わされているもの(一般的なソフトスキル、コミュニケーション/問題解決などがフィットする。)
  • 煩雑なスキルや知識だが、体系的に整理され、かつ、受講者に前提知識やスキルが確保されているもの(ソフトウェアのフレームワークの知識とその利用などがフィットする。)
  • 比較的単純な技術の反復トレーニング(単純なコーディングスキルやアルゴリズム構築などがフィットする)

上記が比較的やりやすいものだが、もう一つのカテゴリが上記の合わせ技。 「複雑なスキルの土台にある機能しているシステムを、理解しやすい教授用モデルとして提示し、それをトレーニングする」

というやつだ。こういうのは、複雑系のスキルのトレーニングにも有効。

このモデルは、実践の中でスキルを拡張し、現状に適応し、成長していくための種になる。

理解しやすいモデルにする、ときの注意点は、簡単にしようとして実践で活用できないモデルにしてしまうこと。これは職業講師や著述家などがよくやる。アンケートや評判がよくなるから。

この「理解しやすい教授用モデル」というのは、熟達者すら自覚しきれていないイノベーティブなアイデア。とうぜん、モデルに完全な最終的な解はなく、継続した洗練が必要である。古来優れた教育者には知られてきたものだけど、ユーリア・エンゲストロームが分かりやすく定式化している。

mattun.hatenablog.com

実例