性格タイプ論の有用性と罠

自分が今まで学んできた性格タイプ論について書いてみる。もっと時間があれば短く書けただろう。。。

 

タイプ論とは

 

人間を様々なタイプに分けることは、色んな人が色んな根拠でやって来たと思う。

正式な理論に基づかなくても、オレオレ分類論は結構持っている人が多いのでは?

ここでは、心理学とか、人材開発の流れを組むタイプ論について話す。

 

ここでのタイプ論は人間はある観点に従って、複数のタイプに分類でき、それは生涯変わらない、ということを主張する類いのもの。

 

タイプ論と似たものに、あくまでも分類はそのときの社会的振る舞いの傾向についてのもので、変わる可能性がある、とするものもある。ソーシャルスタイルとか。

個人の印象だけどソーシャルスタイルはあまりにも変わりやすいため、それを分類することのメリットは殆どない。個別対応のほうがいい。

 

タイプ論の有用性  

他者理解と他者受容

タイプ論を学ぶことで得られる分かりやすい有用性は他者理解。
通常、僕らは自分と他人は同じという仮定に基づいて行動し、共感したり、感情を推し量ったりする。これは、人間が自然にやる本能的行動。

 

タイプ論を通じて見えてくるのは、タイプが異なると、根本的に違う前提で世界を見ていることがあること。今までの赤とおもっていたものが、黒や紫に見えていた人がたくさんいるってこと。
例えば、MBTIで内向的とされているタイプは1人の時間を通じてエネルギーを蓄える。逆に外向的なタイプはみんなといることで元気になる。
落ち込んだ時とか、内向的なタイプに対して外向的なタイプが飲みに誘ったりするのは、余計なお世話だったりする。

 

こうした認識がないと、例えば誘いを断られた外向的なタイプは、断った内向的なタイプに関して、自分を好ましくおもっていないのではないか、とか、バカにされているのではないか、とか変人だ、とか色々状況を歪んで判断する可能性がある。

 

よくあるタイプの違いから来る誤解はかれは不道徳だ、とか、無能だ、とかそういう低い評価。

 

少なくとも自分が当然と思っていることを当然と思わない人が周囲にたくさん昔から存在していた、と気づくことは対人関係の状況認識に劇的な影響を与えると思う。

 
自己理解と自己受容

自己理解にも役立つ。特定の文化や組織は集団的規律を維持するために、ある程度特定のタイプの認識や傾向に有利な規律を強制する。あるタイプはある文化圏では変人として扱われる。
友達100人できるかな、とかね。

 

そういう状況では、集団に不利なタイプは自分の感じ方やものの捉え方に自信が持てなくなり、自分以外のタイプの特性を内在化するようになる場合がある。もしくは、社会を拒絶する。自己認識や社会の捉え方が歪む。

 

タイプ論は自分が他人と異なっているだけであったり、さらに同様な人は他にもたくさんいたりすることを教えてくれる。自分の感じ方やもののみかたをあるがままに受け入れることができるようになる。 

 

上記二点は、タイプ論を学んだ極初期に得られる利点。さらに深く学ぶともっと各々のタイプ論特有の仕方で自己理解や他者理解が進むと思う。

 

タイプ論はよく誤解されているように人間や組織に対するもののみかたを単純化するものではない。

 

他人は今までの自分の自然な捉え方だけでは理解できない、と突きつけるもの。社会は無限に多様な個人から成り立っているものであることを教えるもの。人間や社会をより複雑にとらえなくてはならないことを教えるもの

 

タイプ論の罠

タイプ論の罠としては、人をタイプの枠組みで単純化して捉えることだと思う。ただ、個人的にはこれはタイプ論をよく理解していないし、別にタイプ論を学ばなくても人をステレオタイプで判断する人だろうからあまり、気にすることはないと思う。

 

タイプ論のエバンジェリストたちは、評判落とすから警戒するだろうけどね。

 

自分が学んで、良かったタイプ論

MBTI

ユングタイプ論をもとに、マイヤーズとブリックスが拡張、整理したもの。 万人におすすめ。グローバル、とくにアメリカでは主流だと思う。

 

生まれつきの利き手のようにタイプが決まる。

下記でどちらが優位かでタイプが決まる。2×2×2の16タイプ
  • どこからエネルギーを取り込むか(I 内向: E外向)
  • どのように情報を知覚するか(N  直観: S感覚)
  • どのように判断するか(F  感情: T  思考)
  • 外界に対してどのように振る舞うか(P 知覚: J判断)

MBTIのタイプは仕事の仕方とか、対人関係のスタイルとかと影響が強い印象。仕事で有用だし、学生とか若手社会人にもいいと思う。

 

一般社団法人 日本MBTI協会

 

MBTIへの招待―C.G.ユングの「タイプ論」の応用と展開

MBTIへの招待―C.G.ユングの「タイプ論」の応用と展開

  • 作者: ロジャーペアマン,サラアルブリットン,Roger R. Pearman,Sarah C. Albritton,園田由紀
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エニアグラム

神秘主義思想と心理学的タイプ論を融合したもの。9つの頂点をもつ図形に合わせた9つのタイプ。触れていない本もあるけど、9つのタイプには、両端のどちらかのタイプにより近いか、というウィングがある。全部で9×2の18タイプ。英語、日本語ともに表現は様々なものがある。

タイプ 1  改革する人(The Reformer)
タイプ 2  助ける人(The Helper)
タイプ 3  達成する人(The Achiever)
タイプ 4  個人主義者(The Indivisualist)
タイプ 5  調査者(The Investigator)

 

タイプ 6  忠実な人(The Loyalist)
タイプ 7  熱中する人(The Enthusiast)
タイプ 8  挑戦者(The Challenger)
タイプ 9  調停者(The Peacemaker)

 

生まれつきと幼少時の体験からタイプが決まるとされる。

 

ちとオカルト的ではあるのだけど、自己成長のための非常に良質なツールになると思う。
誰も言っていないけど、個人的には学生とか20代とかよりも、30代以降の人におすすめ。自分はエニアグラムは学生のころ知って面白かったけど有用性を実感したのは最近。

多分、若いときには色々と受け入れられないんだよね。。。

 

Home - The Enneagram Institute

 

学ぶには、まず、リソの本を読むこと。

エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ 基礎編 (海外シリーズ)

エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ 基礎編 (海外シリーズ)

 

 

タイプの特定と学び方

自分がどのタイプであるか、を知ることは簡単ではないと思う。いろんな診断テストとかあるけど、最終的には自分で納得するしかない。

ワークショップとかで、人と話しながら、ああでもない、こうでもないと理解を深めながら、継続的に探究していけばいい。

もし、そういうタイプ探しが退屈だったり、意味のないことに思えたなら、それが今のあなたに不要なことであるか、タイプ論の深みに触れた議論ができていないか、のどちらかだろう。

 

ちなみにMBTIは認定にうるさくて、ちゃんと認定ユーザによるワークショップを経た形じゃないとダメ、って言っている。

 

自分は2人の認定ユーザのワークショップを合わせて3回受けたことあるけど、確かによく考えられて設計された良いワークショップだったと思う。

 

自分はMBTIではINFP、エニアグラムではタイプ4のウイング5でかなり確信している。ただ、時々別のタイプを疑ってみることもある。