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ミンデル博士夫妻の3+1のワークショップ+スーパービジョン

ゴールデンウィーク後半の4日間は「プロセスワーク」を創始したアーノルド・ミンデル、エイミー・ミンデル両博士の3日間のワークショップと1日間のスーパービジョンに参加した

振り返りもかねて、雑感。

プロセスワークの価値

プロセスワークは、心理療法の一種として、始まった。けど、その射程は、個人の治療(つまり、正常とされている生活を送れるようにすること。)を超えて、社会を治癒し、全体性を回復する方法論であり、思想なのだな、と改めて思った。

通常の心理療法は、患者を「直す」。でも、ミンデルとエイミーは、患者を直すのではなく、プロセスとエネルギーに寄り添い、それをフォローする。患者の内面の探求(インナーワーク)と外界との対話(アウターワーク)を同時に促す。

それは、患者に対して、生きる力を与え、世界に対して新しい世界の捉え方を与えると同時に、周囲の人間が患者と自分自身に対して新しい洞察を得る手助けになる。

正常な世界(プロセスワークでは、コンセンサスリアリティと呼ばれる。)に生きにくさを感じる人、病んだ人、そして、正常な世界に生きている人の内面にある非正常な感性、それらは劣った人、劣った部分ではなく、世界が全体性を回復する手がかりとなる。

システムマインドとは何か

今回のワークショップは、「システムマインド」と、アーニーが呼ぶものにフォーカスされていた。アーニーによれば、道教における「道(タオ)」であり、多分、禅における「空」「仏」、ヴェーダでは、「私(アートマン)」、一神教徒は「神」と呼ぶだろう。

スーパービジョンでは、アーニーが相談者の実際の職業(援助職やコンサルタント)における課題を解決することを実際に支援する。その在り方を見ての自分なりの解釈。

「システムマインド」の知恵とは、世界に対するものの見方なのだと思った。アーニーは、持ち出された、家族、組織の課題を、非常に広い視野(時間的にも空間的にも)から捉えると同時に、個々人、と個々人の内面、そして、表情や体の動き、といった微細なものにも繊細な注意を払っていた。

非正常なものに対しても、正常な人と同様に愛情を持って取り扱い、決して無理矢理矯正することなく、大きな変化を起こしていた。

工学的システム思考で捉えられる観測可能な因果関係を的確に把握すると同時に、共時性とコンスタレーション(布置)にも注意を払っていて、それを活用していた。

なにより、自分自身が、全体性の一部であることを多分、強く自覚していた。アーニーもエイミーも、自分たちを見るように僕らを見ていた。

他人との共通性を発見するのに巧みで、お互いの違いにも敏感だった。

論理的には矛盾するはずのものが共存していた。

深層民主主義とワールドワーク

 アーニーの発明であり思想に「深層民主主義」という概念がある。民主主義は、個々人がその利益を代表し、相争う。だけど、深層民主主義では、個々人だけでなく、個々人の内面の全ての部分(普段は隠されていたり、抑圧されていたりするもの)に居場所を与える。

そのワーク(ワールドワークと呼ばれたりする)は、非常に強力だ。不倶戴天の敵と思っていた相手のある部分は、自分自身の一部であったり、自分自身の一部が相手の中にあることに気づく。もしくは、その場にない、と思い込んでいた力が自分たちにも備わっていることに気づく。

そして、自分たちは全体の一部であり、ある面でロールを演じているだけであることを自覚する。浅薄な仲良しごっこと違う「Sense Of Community」を感じ取ることができるようになる。

正常な人も価値がある

アーニーは、どちらかと言えば奇人の部類だし、心理療法家としての正統な道を踏み外しているし、自分のような変わり者にとってのグルでもあるわけだけど、今回強調していたのは、「正常な人」、もしくは「正常な状態」も大事なのだということ。

多分、僕らはみんなどこかしら正常で、どこかしら変で、みんなちょっとずつ違う。そういう全体性を理解し、受け取ることはシステムマインドの知恵から恩恵を受ける一つのこつなのだと思う。

アーニー曰く、

「宇宙は多様性を愛している」