リソース固定のビジネスモデル

要求シンポジウムでお話を聞いて、面白そうだって思って読んでみた。

SEよ大志を抱こう

SEよ大志を抱こう

日経コンピュータでの連載記事の書籍化。

書かれていることは、頷くことばかり。

  • 業務プロセスとシステム開発の連動
  • 価値の重視
  • アジャイル
  • 造らない開発
  • 運用の重視
  • フューチャーセンター
  • 無駄な開発はしない

システム子会社という立場は、SIerより有利な部分もあると思うけど、そのリーダーシップはすごいな。勿論、実態はバラ色ではないだろうけど。

 

ソフトウェアがもたらす価値はステップ数や、投入されたリソース(人月)に必ずしも比例しない。コードには、技術的負債がつきものだし。だから、どちらかというと無駄なコードを書かかないっていうのが最近の考え方だと思う。

リーン開発の本質 ソフトウエア開発に活かす7つの原則

リーン開発の本質 ソフトウエア開発に活かす7つの原則

人月の神話

人月の神話

 

アメリカのソフトウェア開発の考え方として、リソース固定、日本はスコープ固定って話もあった。リソース固定の方が、リソース(ひと一人)当たりの利益率を上げる方向に向かうし、技術者も報われる。なにより、ソフトウェア開発の特性に合致しているから、顧客にとってもメリットは大きいと思う。

 

その変化に対応するには、SIerとしても、規模よりも、利益率を重視した、高付加価値で、筋肉質なビジネスに転換していく必要があると思うんだ。一部の大規模レガシー(COBOLのこと)案件は別として。

 

本の中で、エンジニアリングの基礎は「設計」っていう認識のもと、SE基礎講座を年齢問わず、希望者に提供することにしたって話もあった。素晴らしい洞察と試みだと思う。ソフトウェアも、教育も複雑系問題に対するソリューション。適切な問題理解に基づいた,焦点のしぼられたものであれば、あるほど、価値を増す。

「Less is More」