創造性と批判的思考
下記に行ってきて、いろいろ考えた。
いろいろ考えさせられたので、自分の脳内を整理する。
あまり、整理できてないが、なんとなく、こんな感じだ。
創造的思考のプロセスモデル
創造性が評価されるまでの簡単なモデル。G.M.ワインバーグの設計の自然淘汰モデルと、デューイの問題解決学習が元ネタ。
システムづくりの人間学―計算機システムの分析と設計を再考する
- 作者: G.M.ワインバーク,木村泉
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 1986/07/01
- メディア: 単行本
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(1) 解決したい問題の認識
(2) アイデアを絞り出し、複数のアイデアを結合して対象の問題に対する解決策を立案する
・アイデアの源泉は既存のアイデア、思いつき、イマジネーション、他の別分野のアイデアからの類推など様々
(3) シミュレーション等による解決策のテストとフィルタリング
・脳内シミュレーション、模型や図面、ラフスケッチによるフィルタリング
・天才肌の人は脳内シミュレーション力がすごい。多分
この本では、宮崎駿の脳内シミュレーション力に触れている
コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書 458)
- 作者: 川上量生
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/04/10
- メディア: 新書
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(4) 選別されたアイデアの具現化
(5) 具現化したものの最終的なテストとフィルタリング
・製品等は市場でのテスト
・論文は科学者コミュニティでの評価や後の研究への貢献によるテスト
(6) テストに合格したものが創造的とされる。
(5)でテストに合格しなかった製品や論文は創造的でないものとして、世の中に認知される。創造的な思考には
1. (1)、(2)でできるだけ(5)のテストに合格できる可能性の高いアイデアをたくさん生み出すことと
2. (3)で製品を実際に作ってしまう前に適切に不合格にして無駄な努力をしない
の二つが大事と思う。
(3)で(5)のテストを先取りできる人が多分、創造的とされている人たち。脳内テストに合格するアイデアを求めて、アイデアを生み続け、捨て続けているんだと思う。
科学的知識などの体系的知識が創造的であることにとって必要な意味
過去に創造的と見なされたアイデアは
- 他人が気づきにくい問題の存在を示唆する
- (5)のテストに合格したアイデアであるため、解決策の材料として高品質
よって、(1)と(2)のプロセスの品質を向上させる。
批判的思考
オレオレ定義では、批判的思考はテスト志向の思考態度。要素は下記の2点
1.その思考が間違っている可能性を常に視野に入れること
2.その思考が間違っていないかどうか、を機会あるごとにテストすること
これができていると、(3)のプロセスがきちんと機能する。
テストの仕方
1.間違っていることを立証する
→反例をあげるとかね。ただ、そのためには議論や思考が反証可能になっている必要がある。カール・ポパーは全ての科学的議論は反証可能であるべし、とした(確か。。。)。ただ、確率でしか言えない社会科学などの複雑系の学問では徹底は難しい。だから
2.より良い説明を見つける
→同じ事象を別のより良い説明で合理的に説明できる場合、悪い説明は否定される。予測の精度が高い、シンプル、適用範囲が広い、など
つまり、自分の定義では、批判的思考とは、機会あるごとに、自分の考えと矛盾する事象、もしくは、より今の自分の考えより良い考えを探す態度。
多分、批判的思考によって、アイデアを否定し続けていると、筋の悪いアイデアを産む、という無駄な行動をとらなくなっていく気がする。
そのリスクがある気もするが。。。
創造性を生み出すには
創造性を生み出すには、間違っているかもしれない大量のアイデアを生み出し、できればそれを明確に否定する、っていう矛盾する体験を継続的に行うことなんだと思う。
だから、流行りの「否定しない空気」の中で生み出される アイデア会議とかってそれだけじゃダメで、合理的、論理的、非情にアイデアを否定するフェーズってのも必要なんだと思う。
こっちも参考。