書評+『絶望の裁判所』

長くなりそうだったので、ブログに書く。かなり主観的な感想、うーんと多分人に読ませるものではない。

 

絶望の裁判所 (講談社現代新書)

絶望の裁判所 (講談社現代新書)

 

 

官僚組織内部の機能不全というのは、ある程度暴露本がでてくれなきゃ、中々普段接する機会のない人には分からない。

人格批判のような記述があるので、拒絶感ある方もいそうだが、官僚化が進行している組織には、こういった小人物が権力を握るのはよく見られることだと自分は思うので、そこまで歪んだ記述ではないと思う。

 

「かつては、少なくとも若手は優秀な人材が評価されていた」、という記述がある。官僚的であっても、一応なんとか機能している組織は、そういう傾向がある気がする。

骨のある、実力者のうるさ方は、一定レベルまでは昇格し、組織内部でも実力に不相応な待遇とはいえ、一定の尊敬、待遇を与えられ、若手の教育や危機の際の問題解決に腕を振るう。

多分組織トップも、そういった層がいるから何とかなっていて、自分が取り立てているヒラメ人間は組織の保全以外に役に立たないことを知っている場合が多いのだろう。創業時代の重鎮が残る日本の大企業はそうなんじゃないかな。

 

多分、本当の官僚化は、ヒラメ人間が勘違いして不遇の実力者を排除しはじめた時なんだろう。

 

とはいえ、正論をはく真っすぐな気骨のある人材がトップに立てない、組織の管理職には決して人間として尊敬できない人がいるって、多分大抵の人の認識の気がするけど、そうでもない組織もあるらしい。

http://blogs.itmedia.co.jp/magic/2014/03/post-6dc8.html

 

裁判所の官僚化っていうのが、如何にヤバいか、ってあまり一般の人には分からないかもね。文系の基礎教養として、マクロ経済学の他に、基本的な政治思想と初級法学はあっていいと思う。