「この世界の片隅に」で受けた何かを供養するための感想

先週末に見に行った「この世界の片隅に

 

 

自分は大して映画は見ないが、自分内ベスト3に入る傑作と思った。少し時間が取れたこともあるが、今日入れて3回見に行ってしまった。。。

 

何が、そんなに自分にアピールしたのか、ちょっと考えて見た。

悲劇の中で生きる「人間」を描いている

 特に、あの戦争という、左右のイデオロギーによって、個人の生活や心情がともすれば無視されてしまいがちな題材にあって、徹底的に人間を描ききっている。これが刺さる。戦争や社会について、いろいろ思い巡らす人もいるし、そういうの無視して、登場人物に感情移入することもできる。この作品は見る人に答えではなく、「問い」を突きつけている。

登場人物は善人ばかり

 この物語は人の良い面に光を一貫して当て続けている。これは一種のファンタジーでもあり、でも現実の1側面でもある。主人公をはじめとする登場人物の、その「いい人」ぶりが心に刺さってくる。

一人の女性の成長物語でもある。

監督が下記のインタビューでも触れているように、この物語は一人の女性の成長の物語でもある。

 

上記のインタビューを通じて、3回目を見て気づいたのは、主人公のすずさんは、物語を通じて、神話の普遍的なアーキタイプ(原型)としての「英雄の旅」のプロセスをしっかり辿っていた、ということ。

英雄の旅では、大雑把にいって下記のようなプロセスを踏む。

 異界への旅立ち → 試練と変容 → 帰還と恩恵をもたらす

これをものすごく、平凡な日常の物語の中でしっかりと描ききっている。

 

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結論として、これは戦争を背景にした人間賛歌の物語だったってこと

つまり、

 「この世界の片隅に」 =「JoJoの奇妙な冒険」

ってことだ。

 

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素晴らしい作品をありがとうございました。

konosekai.jp