ずっと考え続けるということ

この本読んで。一つ、考えたことをメモ。

ヤフーとその仲間たちのすごい研修

ヤフーとその仲間たちのすごい研修

 

 

この手の現実の課題解決をすることを通じて、参加者の学習と成長を狙うっていうの「アクションラーニング」といわれるもの。GE社のワークアウトっていうのが有名。

 

GE社のワークアウトは、社内課題の解決をコンサルタント的に選抜されたメンバーが行うもの。リーダーシップ教育の一環。要求される価値観とビジネススキルはある程度共通の水準を求められるし、コミットも要求される。

 

この研修は、そうとうにバラバラな組織から集められてきているし、どこまで対象の課題にコミットするか、もモチベーション維持が難しいもの。最初の設計から、効果的な提案がどんどん出てくるとは企画者も想定していなかっただろう。

 

そして、「現実の仕事でも、限られた時間の中で結果を出さなければならないのだから」とまあ、失敗も許容する覚悟で実施したという。

 

限られた時間で答えを出すこと

この研修そのものは様々な狙いがあるのでそれはいいとして、個人的にあまり魅力的に感じられなかった。

 

それは「自分自身が参加してもいい提案ができるイメージは湧かない。」という至極私的な理由。

というのは、この「提示されたどんな課題に対しても、限られた時間で答えを出す」っていう所謂コンサルタント的な思考は自分はとても不得手だから。

 

この研修の参加者も、多分「限られた時間で答えをだす」のが得意な人と不得意な人で、相当スキルレベルの開きがあるように思う。

 

なぜなら、次に書くようにこの研修の題材になっている「地域振興」について「ずっと考え続けている」人はいないだろうから。

 

ずっと考え続けるということ

普通の仕事では、コンサルタント的な思考が得意な人が、常にそうでない人を圧倒するとは限らない。というのは、所謂優秀な人のカテゴリに、「ずっと考え続けている人」っていうのがいると思うから。

 

これは、自分が片足を突っ込んでいるソフトウェアエンジニアの世界の優秀なエンジニアたちを思い浮かべている。彼らはずっと考え続けて、ずっと試行錯誤している。よいソフトウェアとは何か、よい言語とは、よい設計とは、よいマネジメントとは。

 

思考が深くて、実験を繰り返しているから、技術の進歩にもついていける。部外者が全く新しいもの、異なるものと考えていることに対して、自分なりの答えを素早く導き出すことができる。

 

深くものを考えない人にとって、「限られた時間で答えをだす」人との違いを区別するのが難しいだろう。

 

DeNAの南場社長の本で、あっという間にエンジニアがとても使いやすいアプリを作ったって話。あれ、多分、休日とかにいろいろ試行錯誤して似たようなもの作ったことがあったんだと思うんだよね。。。

ご本人がどうとらえているのかは分からない。でも、本からはそういう認識は読み取れなかった。

不格好経営―チームDeNAの挑戦
 

 

 

そして、彼らは年をとると、素晴らしい教師になる。「限られた時間で答えをだす」だけしかやってこなかった人はよい教師には多分なれない。

 

もちろん、この2つの思考タイプは排他的なものではないし、両方備えている人はもちろんいるが、傾向のひとつとして、自分のキャリアを考えたり、人を評価したりするときにちょっと考えてもいいものだと思う。